ウルソの読書記録

素人が暇潰しに読んだ本などの感想と紹介を書いていくブログです

90冊目『誰が勇者を殺したか』駄犬(ライトノベル)

個人的評価★★★★☆

 

 

ネット小説サイト発のライトノベル

最近、ライトノベルじゃない小説(一般小説っていうのか?)を読んでて思うんだけど、設定や世界観からライトノベルの枠組みに入ってるけど、明らかに一般書籍として発行しても良いんじゃないかというライトノベルも多いような気がする。

逆に一般小説の側にもライトノベルと大差ないような作品とか沢山あるわけだしね

ケータイ小説が流行ってた時期とかはホントピンキリだった印象)

 

そんな感じで、これもライトノベルではあるけれどライトノベルじゃなく読んでも楽しめる本

 

勇者は魔王を倒した。同時に帰らぬ人となった。

魔王が倒されてから4年。平穏を手にした王国は亡き勇者を称えるべく、数々の偉業を文献に編纂する事業を立ち上げる。

かつて仲間だった剣聖・レオン、聖女・マリア、賢者・ソロンから勇者の過去と冒険話を聞き進めて行く中で、全員が勇者の死の真相について言葉を濁す。

『何故、勇者は死んだのか?』

勇者を殺したのは魔王か、仲間なのか。

王国、冒険者たちの業と情が入り混じる群像劇から目が離せないファンタジーミステリー

裏表紙より引用

魔王を倒した後というあたり、最近流行りの葬送のフリーレンっぽい感じなのかなと一瞬思ったがそういうわけではない(笑
意外と、魔王を倒した後のファンタジーって少ないから(だから葬送のフリーレンは最初から設定として面白かった)そういう小説とかあっても良いとは思うんだけどね。

ゲームにはしにくいか・・・下手するとファイナルファンタジー10-2みたいな怪作を生み出すことになっちゃうし

 

あと、ネット小説だと勇者の仲間は、大体が剣聖・聖女・賢者で、ほかに大魔導士(魔術師)や弓聖、設定の都合上荷物持ちみたいなのが入るのがテンプレだけど、これどこが大本のネタ元なんだろうね

ドラクエとかFFではないだろうし・・・

 

話はずれたけど、『何故、勇者は死んだのか?』ではなく『誰が勇者を殺したか』がタイトルなのが秀逸。

読んでいくうちに、たぶんアレかなあとなり、まあ最終的にそうだったという感じではあるけれど、楽しく読める本

ミステリーは内容書くとネタバレになりかねないしこんなかんじでw

 

89冊目『がん「エセ医療」の罠』岩澤倫彦

個人的評価★★★★☆

 

 

がんの保険適用外治療は、免疫療法含めて、保険適用外を推す記事とかは見かけるけど、推奨しない側はやんわりとしたものが多いように感じる。

なので、患者側からすると、胡散臭い治療とそうでない治療の違いがイマイチ分かりにくいので保険適用外治療に反対側の考えとして参考になるかなと購入

 

 

いわゆる免疫療法の批判を中心に、それを許容する現行制度批判にも

大雑把に言うと、保険適用外(自由)診療なのにはエビデンス足りないとか理由があって何だよということ。

この本は、いわゆる免疫療法の批判を中心に、そこから医療におけるエビデンスとそれを軽視する医者(職業倫理に乏しい)の問題や、それを結果的にではあるが許容してしまう現在の医療制度批判になっているような感じ。

フリージャーナリストの方が著者で、免疫療法やってるクリニックに潜入調査みたいなことしてたり、免疫療法やった患者の遺族(患者ご本人は大体お亡くなりになっていることが多い)への取材や、医者への取材(ノーベル賞受賞された本庶佑先生にも取材されている!)も行い記述が構成されている。

裁判の開示記録での証言を見ると宣伝と実際の効果が大きく違ったり、抗がん剤等の標準治療として行っていることから免疫療法の効果なのか判別付かないものも成果に入れていたりするようなこともあり、この辺はやはりジャーナリストの取材のたまものだなあという感

 

保険適用外治療行ってる側は、それが効果がないことが証明できない=効果があるような感じで捉えて宣伝していることが多い(根拠論文もデタラメだったりする場合もあるらしい)が、よくよく考えると「ないことの証明」って悪魔の証明だから、本来的には保険適用外治療行ってる側が根拠を揃えて標準治療になるよう働きかけるべきなんだよね。

患者さん沢山治療してきた実績があって症例も集まってるとか宣伝するならなおさら

 

がん患者側の視点としては、一度冷静になるのに良い本

標準治療の意義や、なぜそれが標準治療になったのか等は、がん患者でも意外と知らなかったりぼんやりしているもので、それがために末期がんになって標準治療ができないときに保険適用外の治療を模索するっていうのはよくあることではある。

で、いざネット検索してみると沢山色々な療法が出てくる(笑)し、どれも基本的には高額で、治療しているクリニック等を見ているとちゃんと医学的っぽいことが書いてあったりして良く分からない。

ネット記事見てると有名人が免疫療法で治ったみたいな記事もちょいちょい出てくる・・・

しかし主治医に聞くと基本的には反対される。

けれど追い詰められて正常な判断ができなくなっている人は、保険適用外治療をする側の意見(日本の医者は既得権益云々で、先進治療に及び腰だから免疫療法嫌がるとか)に流されがちになったりするものである

その状態で選択を行っても基本的には良い選択にならない可能性が高いので、一度冷静になるためにも読んでおいても良いのではないか。

 

なるほどと思ったこと(個人的メモ)

免疫療法の概要(本庶佑先生へのインタビュー)

現在の免疫療法は、アクセル型とブレーキ型に大きく分けられる

アクセル型→免疫細胞の機能を高める

1990年代から2000年の初めまでに、今の自由診療クリニックで行われているアクセル型の免疫療法は、臨床試験をやり尽くされていた状態だった。

血液を培養して戻す免疫療法、がんワクチン、サイトカイン等々様々な臨床試験が行われたが、明確な有効性は出てこなかった。

→つまり、保険適用外治療でやってる免疫療法は別に先進医療ではない!?

ブレーキ阻害型

免疫細胞のブレーキ機能を阻害してがんを攻撃させるという発想のもの。

本庶氏の研究から生まれたオプジーボはこちらの型

 

免疫細胞の寿命は短い

通常の免疫細胞の寿命は約一週間だが、培養して体内に戻した免疫細胞は通常2~3日。

培養した免疫細胞が、がん細胞までたどり着く可能性が極めて低い

静脈に注射されたあと、免疫細胞は肺に12時間~24時間程度滞留し、そのご大動脈を経て、ほとんどが肝臓に集積していた。がん細胞に到達させるためには動脈に直接投与が効果的。

生物の免疫は『ゆらぎ』が大きい

生物には免疫に個体差というかゆらぎがあり、非常に免疫が強い人は、がんになっても自然消滅する場合もある。(がんの自然退縮)

 

丸山ワクチンについて

丸山ワクチンは有効性を臨床試験で客観的に示すことができなかった。

→ワクチンの成分を常に同じに調整することが非常に困難だったため。

現在と一カ月後に使用するものが同じである保証がなく、市販薬にもできないため不承認となった経緯がある。

ただ、効いているという人もいるため、医者の限界なのか、患者の「鰯の頭も信心から

」なのかわからないもの。

 

最近話題の光免疫療法と、民間のクリニックが行っている光免疫療法は別物

最近話題の光免疫療法は、楽天メディカルがアメリカの国立衛生研究所から独占ライセンスを取得し行っているが、楽天メディカルの治療は民間のクリニックでは行っていない。

民間のクリニックで行っているのは1990年代に開発された光線力学療法(早期胃がん等を対象に一部保険適用)に近いものではないかと本書では記載されている。

 

他にも高濃度ビタミンC点滴だったり保険適用外治療を調べると出てくる治療も載っていて有用という感じだった。

 

あとは、免疫療法ガイドラインっていうのがあるのをこの本で知りましたw。

この本を全て信じるかというとそういうわけではない(何か一つの本を読んで全て信じるのはそもそも危険)けれど、保険適用外治療についての自己知識として闘病ブログの方で、とりあえずこの本ベースにもうちょっと詳細にまとめて行こうかなと思いました。

 

 

 

88冊目『赤と青のガウン オクスフォード留学記:文庫版』彬子女王

個人的評価★★★★★

 

 

食堂の奥にはハイ・テーブルと呼ばれる場所がある。食堂のいちばん奥、学生の席より一段高い場所に二十人ほどが座れる格調高いダイニング・テーブルが置かれている。

高い天井に壁中に飾られた歴代学長の肖像画。決して座り心地がよいとはいえない硬い木のベンチに間接照明。まさに『ハリー・ポッター』に出てくる食堂そのもの(実際に『ハリー・ポッター』の映画のロケに使われたのは、マートンのご近所のクライスト・チャーチ・コレッジの食堂である)P80より引用

 

皇族である三笠宮彬子女王のオクスフォード留学記。

著者名『彬子女王インパクトよ!これが使える著者はほとんどおるまい(笑

そして、留学記となっているので、皇族がなんかちょっと海外留学体験しました的な感じの留学記かと思ったが、学習院大学在学中に1年留学したあと、学習院を卒業しオクスフォードに行き、博士号までとるというガチ勉強勢体験記でびっくりした

(タイトルの赤と青のガウンは博士号取得者しか着れないっぽい)

皇族であるという事情(なんかやっぱ状況に恵まれてるなあとか)を省いたとしても、オクスフォードのマートンコレッジに入って博士号ガチ勉強した留学記録として単純に面白い作品だった。

マートンコレッジやらクライスト・チャーチ・コレッジやら何なの?と思う向きもあるけれど、そのあたり作中でも紹介されていて、オクスフォード大学は大学のなかに20くらいあるコレッジのどれかに所属して、コレッジごとにも食堂や図書館、チューターがついたりして勉強していくシステムらしい

大学内に互助組織みたいなのがあるイメージか?

どれぐらい優秀者出したかとかは各コレッジの威信にも関わるから切磋琢磨しているとかなんとか。

ほかにも、日本とイギリスの文化的な違い、海外留学者の現状や、ご本人の苦労:留学するのに記者発表しなきゃならなかったり(東北大震災のあとだた)、博士号取得の過程でストレス性胃炎になったりまあ色々大変だなあと思いつつ、エリザベス女王ティーパーティとかすげえな(けど、皇族の人も女王と会う時緊張するんだね)とかおもったりしつつも楽しく読める一冊

そういえば某2ちゃんねる創始者が皇族は日本国民じゃないみたいな発言して炎上してたけど、この本読んで思い付きで言ったりしたのかな?(笑

皇族は『日本国民』ではない。戸籍や住民票はないし、国民健康保険には加入させてもらえない。だから海外旅行をするときに発行されるパスポートも、普通の赤や紺の表紙のものではない。表紙に『外交旅券』と書いてある茶色のパスポートで、外交官が持つものと同じである。P133

『日本国民』の定義上の問題なんだけどね

そういえば皇族の方って病気になったらやはり医療費は全額自己負担なんだろうか(そうなんだろう)

 

87冊目『ハリー・ポッターと死の秘宝 新装版7-3』J・K・ローリング

個人的評価★★★★☆

 

 

主要人物も含めてどんどん死者が出ていく・・・

冒頭で、いきなりロンが、『結婚式場から脱出したあとなんでハリー達の居場所がすぐに死喰い人にみつかったのか』のネタバらしを行ってくれた✨

というのも『ヴォルデモート』という言葉を発すると、ハリーの保護呪文が破れて居場所が割れる仕組みであるらしい(ヴォルデモートという言葉にある種の呪いがある)

ヴォルデモートっていう言葉発するのハリーか不死鳥の騎士団の一部くらいだからすぐに分かるという理屈

なるほどなあ!相手賢いなあと思うとともに、それで良いのか魔法界とも思ってしまうのだけれどもw

 

その後、死の秘宝の物語についてルーナの父親から話を聞いたハリー達は、襲ってきた死喰い人達から逃れる。

ヴォルデモートが『ニワトコの杖』を探し回っており、それがカギになるとハリーは考えるが、ハーマイオニー達と見解が相違し、またしても意見は紛糾!

・・・というか、ハリーは個人でヤバい行動取りがちだし、推測で動きがちなんだけど、大体においてはハリーの突拍子もないとされた推測がこれまで正しいとされてきてるんよね・・・

ロンやハーマイオニーはいい加減そのあたり学んで、イエスマンであれとは言わなけれ度ハリーの意見もしっかりと聞いてあげてはどうだろうかと心配になる(笑

このあたりは欧米と日本の討論への感覚の違いもあるんだろうか?

なんとなく、『おまえらの推測だいたい外れてて、大体はハリーのが当たってるんだから聞いてあげれば?』と思ってしまう(その後、短絡的な行動にでるのがハリーの行動力でもあり、悪い癖でもあるが)

 

というわけで、そろそろハリーがヤバい行動するんじゃないんだろうかと心配していると、案の定、自分の考えが否定されたことにブチ切れたハリーが『ヴォルデモートはニワトコの杖を追っているんだ!!』と怒鳴り散らし、無事死喰い人に捕まることになりました。

 

マルフォイの館に連れていかれたハリー達は地下の牢獄に入れられますが、ハリーの正体は、ハーマイオニーが機転を利かして捕まる直前に顔を腫らす魔法をかけてくれていたのでバレていません。

そのため、ハーマイオニーが拷問をうけることに・・・

なんやかんやマルフォイが地味に味方っぽいムーブしたりドビーが助けに来てくれたりして脱出しますが、そのなかでグリンゴッツとポグワーツに分霊箱があることを把握

この時点でドビー・ワームテール(敵)が死亡・・・

 

しかしハリー、、、きみホントちょっと、、、良く脱出したあと平気でハーマイオニーに声かけられたね!?

自分がやられたことは決して忘れないが、自分がやったことは都合よく忘れるかなんかうやむやでOKになるザ・主人公ムーブをかますハリーにやはり僕たちはついていくしかないのです!

そして小鬼(ゴブリン)をうまく騙し込んでグリンゴッツに突入して分霊箱回収するも、グリフィンドールの剣をゴブリンに持っていかれるが、ドラゴンに載ってポグワーツ(の近く)にうまいこと忍び込んでネビル・ロングボトムと再会して7-3巻が終了✨(情報量が多い・・・)

 

残すは最終7-4巻のみ・・・これ、話終わるんだろうか?と思いながらも最後なのでもったいなくてちびちび読んでいくことになりそう

 

 

 

86冊目『ローマ人の物語18 悪名高き皇帝たち(2)文庫版』塩野七生

個人的評価★★★☆☆

 

 

このように、ティベリウスの時代とは一変して娯楽スポーツが盛んに行われるようになったカリグラ時代のローマだが、これが『パンとサーカス』とされて悪評を浴びることになるのである。P129~

ローマ人の物語文庫版の第18巻は、ティベリウス治世の晩年(カプリ隠遁)~カリグラの治世の終わりまで。

ティベリウスの政治は、固い!カッチカチやで!と言いたくなるくらい堅実+実直であり、これぞ法の民ローマ人というような印象を受ける(少なくとも塩野七生ローマ人の物語を読む限りでは)

けれど、堅実な政治が大衆のお気に召さないのは昔からそうなのか、堅実にやっているのにとにかく人気のない皇帝というイメージになってしまった(笑

カプリ隠遁後の晩年は、(事実不明の)怪しい噂話がでたり、アグリッピーナ一派を一掃(場合によっては虐殺に近いこと)をしたりしているが、それも後世への政治不安の芽を摘むような意味合いのようなものもあり、モムゼンティベリウス『ローマが持った最良の皇帝の一人』という言葉がなるほどなあと感じ入る読後感だった。

 

次の皇帝カリグラ(25歳)は?

さて、ティベリウス死去後、皇帝に指名されていたカリグラだけれども、こちらは皇帝になる前から大変に人気があったようで、ティベリウスの葬儀なんてほっといてカリグラのお祝いせな!的な空気が流れるレベルであった様子。

 

そのように、万人に喜ばれて皇帝となったカリグラであったけれども、カエサルから始まりアウグストゥスが創り上げ、ティベリウスが完成させた、ある意味では万全状態のローマ帝国を渡された反動からか、創業社長から若くして会社を継いだダメな二代目みたいな行動をとりまくることに。

剣闘試合のスポンサーの再開や、戦車競技の競技場の建設、自身を神と称し統治、大火のあった後のローマの復興に陣頭指揮を執ったはいいけど『海上の道』(船を数キロにわたって並べてその上を馬車で行くパフォーマンス)をやったりまあ好き放題である。

後世から『パンとサーカス』と揶揄される一因となった人物であるのは間違いない。

また、カミュの『カリギュラ』などの影響から享楽的な狂王のイメージも強い

とはいえ、知性が無いやばい人物というわけではなく、意外とティベリウスが行っていた基礎の堅実的なところには気を付けて手を付けていなかったりするのである。

『彼にとっての不幸は、いや帝国全体にとっての不幸は、政治とは何かがまったくわかっていない若者が、政治をせざるをえない立場に就いてしまったことにある』

という著者の言葉がまさしくといえるのかなあとおもう。

というわけで好き放題やって帝国財政をどんどん悪化させていったカリグラは、そのツケを払うという訳ではないが、自身の近衛によって暗殺されてカリグラの治世は終了する。

次の皇帝はクラウディウス

名前はカッコいいが、カリグラ暗殺を聞いて隠れて怯えてたところを兵士たちに連れ出されて壇上で皇帝になることを宣言させられたような感じで今巻終わってるが、その治世は大丈夫か!?

次巻どのような展開になっていくのか興味深い