個人的評価★★★☆☆
21世紀の「第三次形而上学革命」を迎えるにあたり、旧石器人類の思考、国家の誕生、貨幣の発生、神の創造と一神教の成立まで、「超越的なもの」について、人類が考え得た全領域を踏破することをめざした伝説の講義録 Amazon紹介文より
らしい。第三次形而上学革命がなんなのか良く分からない(本文中でも示唆されるだけで、あとは想像つくよね?みたいな書き方)けれど、人類の神話の思考を縦横無尽に紐解いていく本。カイエ・ソバージュシリーズとして全5巻あるんだけれど(最後は対称性人類学というものについての説明)、最後まで読めば分かるんだっけかなあ
大学の時に読んだときはめっちゃ面白くて一時期ハマったんだけれど、今読むとかなり牽強付会というか、それ(こっちが詳しいこと知らないから)わりと無理な結び付けじゃない?というように感じるのは、僕の思考の柔軟性が失われたからなのだろうか。
話は、南方熊楠の燕石考や、シンデレラ物語の異文と構造分析を通して神話的思考の論理性や哲学性を解き明かしていく感じ。
その過程はまさに見事だし、シンデレラ物語が中国にもあったとか(要は、古代の人類の移動とともに神話的思考の原型も移動していた)へえ~って思うことも多々ある。
けれどこのあたりは昔のニューアカデミズムぽさというか、スピリチュアル的というか、論理性より著者の主観じゃないの?ということをすごく感じてしまう(専門家同士だとまたちがうのだろうか)
面白いには面白いんだけどね。