個人的評価★★★★☆
【中東大混迷を解く】シリーズの第2巻。
ちなみに1巻目はサイクス=ピコ協定に関するものである。(内容はもう覚えてないw)
「中東の問題は宗派対立なんでしょう?」「シーア派とスンニ派の紛争についてぜひ話してください」。ちかごろ、このように問いかけられたり求められたりすることが多い。(P21~)
からの、中東の現在の状況は、シーア派とスンニ派の対立といった単純な事象に区分けできるものではないよ!という内容になっている。(前巻のサイクス=ピコ協定の呪縛でも、同協定が分かりやすいアイコンになっているが、そう簡単ではないよといった趣旨だった気がする)
たしかに、僕個人としても中東=イスラム教→なんかよく知らんけど、シーア派とスンニ派っていうのがあって、対立しているっぽい(プロテスタントとカトリックみたいな感じか?まあプロテスタントとカトリックは対立?はしてなさそうだけど)
みたいな粗い解像度で中東を見ている感じはあった。
が、語ろうにもそもそもスンニ派とシーア派の違いも良く分からないのである。
シーア派にとって「あるべきだった」歴史の展開は、預言者ムハンマドの死後すぐにアリーに政治権力と宗教権威が継承され、その後はアリーの血統に受け継がれて、「イマーム(指導者)」としてイスラーム世界を統治するというものである。(P66~)
そこから見られるのは、少数派であるシーア派の、ユダヤ教の選民思想的な発想や、本来あるべき姿を取り戻すための行動という考えがあるようにみられる。
そのうえで、中東の宗派対立は、協同・離散もするし、日本的にみると複雑怪奇なように見える。
本書の中では「シーア派とスンニ派の宗教対立とすることが謬見とは言い切れない」ともしているが、総合的にみて、物事を単純化するのではなく複雑な事象を複雑なまま受け入れて考察することの必要性を訴える本であるような印象を受けた。
続刊出て欲しいけど、しばらく刊行されてないしどうなんだろうね・・・
