個人的評価★★★★★
著者はドイツの高校の校長先生(とはいえいくつも著作を持ってるしドイツ史の本も出版しているらしい)。
高校生向けに中世の生活を教えるための教科書的に書かれたとどこかで聞いたことがある。
中世は確か全期間だと1000年くらいあって長いが、そのうちで騎士文化が栄えた時期(12~13世紀のシュタウフェン朝のドイツ)を対象に記述している。
中世の城の構造からはじまって、城内の様子や、騎士の生活、騎士文学、騎馬槍試合(タイマン)や集団戦(騎馬槍試合を集団でやる)、戦争など網羅的に書かれていて、読んでいて中世の生活が頭に浮かんできて面白い。
中世の城の明りの描写見てると、たいまつやロウソクなので夜とかめっちゃくらいだろうな~(シャンデリアみたいなのあるけど、ロウソクを上に立てるので暗い)
とか、
暖炉の暖かさは周りしか暖かくないから、居間以外は冬が激寒だし集団で集まったときは下位の人は凍えてるの我慢してる
とか
ナイフとかフォークはあまり使われず手で食べるのが多い(なので、水の入ったボウルとかがある)
とかまあ、僕たちの想像する中世よりもやはり実際はかなり過酷だし、洗練されてるわけじゃないんだな~と思って読んでいた。
騎士道についても、武士道と同じで理念としてはあっても実際はやはり・・・という感じなんだなと思う。
とりあえず、城のトイレの描写(壁面に突き出したスペースの下に穴が空いてるだけで、排せつ物は穴から下に落ちていくだけ=下は糞尿まみれ)というのは笑ってしまった(笑
清潔さは気にしていたのに、糞尿への気遣いの無さはなんなんだろうかw
そういえば、パリも19世紀までは道路は糞尿まみれだった(なのでそれをさけるためにハイヒールができたという俗説聞いたことある)らしいし、時代的なものなのだろうか。
※昔のパリは、家にトイレがある家庭が少なく、トイレが無い家庭は窓から道路へ糞尿を投げ捨てていたらしい。なので、歩いていると糞尿ぶっかけられるおそれがあった。
貴族は歩いて道路とか渡らないだろうし改善しにくかったんかもね。
パリって、もともとローマの植民都市(ルティティア)だったから下水道ありそうなんだけど、植民都市にはあんまり整備しなかったのかなあ
とか、歴史のつながりを考えながら読むこともできて楽しい本だった。