個人的評価★★★★☆
言わずと知れたアルプスの少女ハイジの原作小説。
もはやハイジというと某家庭教師のCMのイメージが強すぎるんだけど、読んでみたらやはり古典的名作だけあって、とても良かった。
読後感がとても爽やかだし、まさかクララが立ったところで感動して泣くとは思わんかった・・・笑
物語は、アニメ観てないから確言はできないけど、基本的にはアニメが原作に沿った展開になっているらしい(一部変更あり)
もともとは2部に分かれて出版されていたらしく、構成自体は第1部「ハイジの修行時代と遍歴時代」、第2部「習ったことを役立てる」に分かれている。
第一部の名称はゲーテのヴィルヘルムマイスターの影響を感じる。。。
物語は、5歳のハイジ(孤児)が叔母に連れられてアルムのおんじ(おじいさん)のところに行くところから始まる。
アルムのおんじは、気難しやで有名で、若いころは酒と賭博の放蕩息子で、傭兵になったあと問題起こして脱走→アルムで暮らすようになったという設定にはちょっと笑ってしまった。
ペーターはハイジの子分みたいになっていて、ハイジが他の人に時間取られると一人でキレてる若干ヤバいやつになっている(笑)
住んでいるところやペーターの家(極貧)でおばあさん盲目等、結構悲惨な背景を持ってるんだけど、ハイジの自然児的な元気さもあって、哀しみが明るさにうまく変換されていて、読んでいて楽しい気持ちになってくるのが凄いと思う。
クララの家での展開も、普通なら下働きでひどい目にあうような展開になりそうなところを逆にロッテンマイヤー女史達が振り回されるところも面白い。
ただ、途中からキリスト教の説教色が強くなるので、そこが苦手な人はいるかも。
ページ数は600ページくらいあって分量多いけど、心を癒したいときに読むのにおススメ。
そして、だれかアルムのおんじの若いころ書いてくれないかなあ(笑
「アルムの青年おんじ」みたいなタイトルで。