ウルソの読書記録

素人が暇潰しに読んだ本などの感想と紹介を書いていくブログです

41冊目「道元『正法眼蔵』を読む」角田泰隆

道元正法眼蔵』を読む

 

個人的評価★★★★☆

1 どんな感じの本?

曹洞宗禅宗)の道元禅師が記した「正法眼蔵」は人気もあるけど、とても難解な書物とされている(らしい)
その正法眼蔵について、曹洞宗の住職兼駒澤大学教授の著者が、同書について原文をかみ砕き、その(比較的わかりやすい部分の)考えとかを解説してくれる入門書といった感じの本

 

2 感想

道元は、9歳の時にヴァスパンドゥの阿毘達磨倶舎論(めっちゃ難しい)を読み、13歳で出家したらしい。どういう脳みその構造してるのだろうか?
まぁそういう天才であるので、どうも博覧強記でもあるような感じの人物であり、色んな書物からの例えや引用が出てくるのも難解さに拍車をかけている模様。


なお、かなり重要な話で、拈華微笑の話というのがある。
これは、以下のような感じ
いつも色々説法してくれる釈尊ブッダ)が、ある日優曇華を手に持ったまま説法せず立っている。
皆が呆然とするなか、摩訶迦葉だけが破顔微笑(にっこり微笑むこと)したことをみて、釈尊が「正法眼蔵涅槃妙心を摩訶迦葉に授けた」と言った。これをもって摩訶迦葉に仏法が伝わり後継者となったという話。


凡人である僕らは、現代的価値観で、摩訶迦葉は師の奇行に困って微笑んだら、「君いま悟ったね!」と言われて困ったんじゃないかなぁ。とか思ってしまうかもしれないがそうではない。
言葉では伝えられない仏法がまさに伝わったということなのである。(以心伝心)

 

そして、「正法眼蔵涅槃妙心」を略した言葉が正法眼蔵で、弟子や後世のために、言葉では言い表せない教えを言葉で説こうとしたのが正法眼蔵であるらしい。そりゃあ難解になるわなぁ。


ちなみに正法眼蔵は全100巻くらいあるらしい
君らのために正法眼蔵書いたで❗️といわれ100巻本渡された時の弟子達の気持ちを考えると中々複雑な感情が出てこなくもない(笑
(僕なら、これだから天才は、、、とか思ってしまいそうである)

 

本書(正法眼蔵を読む)は、幾つかの概念を章ごとに分けて解説してくれている。
解説も原文(➕仏教用語とかの解説)→書き下し文→解説の順に記載してくれていて、大変親切で分かりやすい。
特に初心者はそもそも用語がよく分からなかったりするので、主な仏教用語や関連用語などを載せてくれるのは大変ありがたいのである。

正法眼蔵読んでみようかな〜でも難しいらしいしなーと思った時、読んでみることをオススメできる本である
そういや禅宗は考えが初期仏教ぽく理論的で面白い感じあるなぁ。