ウルソの読書記録

素人が暇潰しに読んだ本などの感想と紹介を書いていくブログです

50冊目「怪奇骨董翻訳箱 ドイツ・オーストリア幻想短篇集」垂野創一郎編訳【怪奇幻想文学】

怪奇骨董翻訳箱 ドイツ・オーストリア幻想短篇集

個人的評価★★★★☆

 

1 どんな短編集?

ドイツ・オーストリアの幻想短編集
個人的にはあまり聞いたことがない著者の作品が多かった。埋もれてた良作(当時は人気だったけど、今は知られてない作家って結構いるよね)を発掘した感じの本。
もともとは、訳者が集めて同人誌的な感じで刊行した「エディション・プピプピ」に収録していた物が多いらしい。


テーマ別に収録されており、収録作は

【1 人形 】
クワイウィース?』 フェルディナンド・ボルテヴェイク
『伯林(ベルリン)白昼夢』 フリードリヒ・フレクサ
『ホルネクの自動人形』 カール・ハンス・シュトロープル
【2 分身 】
『三本羽根』 アレクサンダー・レルネット=ホレーニア
『ある肖像画の話』 ヘルマン・ヴォルフガング・ツァーン
『コルベールの旅』 ヘルマン・ウンガー
【3 閉ざされた城にて 】
『トンブロウスカ城』 ヨハネス・リヒャルト・ツア・メーゲデ
『ある世界の終わり』 ヴォルフガング・ヒルデスハイマー
『アハスエルス』 ハンス・ハニー・ヤーン
【4 悪魔の発明 】
『恋人』 カール・フォルテメラー
『迷路の庭』 ラインハルト・レタウ
『蘇生株式会社』 ヴァルター・ラーテナウ
【5 天国への階段 】
『死後1時間目』 マックス・ブロード
『変貌』 アレクサンダー・モーリッツ・フライ
『美神の館・完結編』 フランツ・ブライ
【6 妖人奇人館 】
『さまよえる幽霊船上の夜会(抄)』フリッツ・フォン・ヘルツマノフスキ=オルランド
『人殺しのいない人殺し』 ヘルベルト・ローゼンドルファー
『ドン・ファブリツィオは齢24にして』 ペーター・マーギンター

2 かなり大雑把な感想

19世紀末から20世紀の作品が収録されていて、20世紀半ばくらいのものが多いが、わりと最近(1970年代とか)の作品もある。
個人的には楽しく読めたけど、この前読んだ幽霊奇譚同様、いかんせん値段がそこそこする(税込6380円)
ただ、装丁がとても綺麗で手に取っても飾っても楽しい。

 



内容も幻想味がかなり強いものからコメディ味あるものまで幅広く、怪奇好きなら楽しい。
そのあたり含めて買うかどうかは検討すると良いのかもしれない