マルクス入門本読み漁り1冊目
個人的評価★★☆☆☆
マルクス入門(※入門ではない)といった感じの本。思想系には良くある気がする。たぶん哲学科とかの人にとっては入門書になるのだろう。
序章でマルクス解釈の3つの類型を基本的視座として叙述してくれているが、これについては『そういう視点があるんだなぁ』という感じで分かりやすい。
類型は解釈する際の基準というか基本的視点に資するためのもので、実際には各類型が混ざり合ったりしているというような記述もあり親切❗️
第1章からは具体的解説に入っていくが、年代順ではなくテーマ別になっている
古代ギリシアに影響を受けたマルクス、原始的共同体論→分裂のない共同体、歴史的に捉えた資本主義(資本主義以前の分析)と、第3章まではある程度初心者にもわかる感じはあるが、第4章からは、かなり著者の私見が入ってきてテーマも抽象化してくるため難しい(これはあとがきで著者もそんな感じのことを書いていた)
全体的にみれば、ど素人的にはマルクスの体系というか全体像が掴みにくいという印象で、一般的なマルクスや哲学への印象(やたら難解)は変わらないものだった。
テーマ別の入門書だと、完全初心者からするとそれぞれのテーマについては何となく分かっても全体像良く分からないし、なんだか難しい理論なんだなあという風になりがち。
これは読む側の理解力や読書不足と言われればそれまでなので仕方ないところはある。
もうちょっと理解深まったらまた読み返してみようかな。
以下個人的メモ
解釈図式
①経済中心史観→反映論
経済的土台が上部構造に反映する経済的史観(神学的な要素。弁証法的唯物論)
社会のすべての現象(上部構造)を経済的土台(下部構造)から発生させるという発想
②実践的主体論(ルカーチ)
経済史観とその決定論の内部矛盾
実践的弁証法
物象化はマルクスの場合は主として経済的概念→ルカーチは思想的意識にまで拡大
③構造論(関係論)
社会の本質は関係する行為の観点から把握。アルチュセール