マルクス入門本読み漁り3冊目
個人的評価★★★★★
僕のようにマルクスについては、共産主義とか下部構造が上部構造を云々みたいな文言くらいしかしらない超初心者からすると、とても綺麗にまとまっていてマルクスの概説として分かりやすい本
第1章ではマルクスの思想や理論の形成過程が大学生くらいのときからの流れに沿って端的にまとまっていて非常に分かりやすい。
年代順の思想変遷が書かれた入門書の利点は、自分の思想を打ち立てたような人でも色々影響受けたり修正しながら理論を打ち立てていったんだなあというのが理解できるということがあると思う。
まあ他の哲学者や思想家もそうだけど、皆苦労しながら自分の理論を打ち立ててるんだよね。
それを本という形で読めるのは素晴らしいことだよね
第2章では資本論の考え方の基礎を説明しているが、これも分かりやすい。
マルクスの思想説明となると、(元が難解なので仕方ないのだけれど)馴染みのないことばがポンポン出てきてどんどん混乱していく(気軽には読めない)というイメージがあるのだけれど、この本はそのあたり著者の技量なのか、初心者でもある程度理解しやすいように説明してくれている。
いくつかマルクス入門書を読み比べていると、同じこと(概念)について解説しててもこれだけ分かりやすさに違いがあるのかと思ってしまう(笑
第3章は包摂概念の解説
他に読書案内もあって全120ページくらいと、コンパクトにまとまっている。
基本的には著者の思想とかは抑制的に書かれている反面、詳しい世界に入りたいという場合には物足りないかもしれないが、これ読んでから他の入門書読むとベースが出来てるから理解しやすくて良いんじゃないかと思う。
以下個人的メモ
資本主義社会の条件
産業革命以後→労働力と土地(自然)の商品化及びそれに伴う賃労働の発生
労働力の商品化を通じた収奪(搾取)→資本主義に特有
物質代謝の大半を、商品の生産・流通・消費を通じて行う社会。
→商品による商品の生産
使用価値と交換価値(労働価値)
どこかで不等価交換が行われなければ、価値増殖は可能とはならない。