個人的評価★★★★☆
母親を亡くして孤独に苛まれ、本の囁きが聞こえるようになった12歳のデイヴィッドは、死んだはずの母の声に導かれて幻の王国に迷い込む。
赤ずきんが産んだ人狼、醜い白雪姫、子どもをさらうねじくれ男・・・・・。
そこはおとぎ話の登場人物たちが蠢く、美しくも残酷な物語の世界だった。
元の世界に戻るため、少年『失われたものたちの本』を探す旅に出る。本にまつわる異世界冒険譚 裏表紙より引用
スタジオジブリの映画『君たちはどう生きるか』の元ネタらしい。
『君たちはどう生きるか』は吉野源三郎の作品が有名だけどがっつりキリスト教倫理の本だし、宮崎駿がそれを原作にするかあ?と思っていたので、児童文学に近い本書が原作と聞いて納得✨
映画は見てないからどう元ネタになってるかは分からないけれど、物語の構造?が同じらしい。
本書の前評判見ていたら『グロい描写が多い』といった感想も多かったけれど、内容はわりと王道の少年成長冒険譚だし、おとぎ話をモチーフにはしているけれど民話版グリム童話とかの描写に慣れていると別にグロいとかは思わなかったかな。
シャルル・ペローの童話とかをイメージして読むと残酷な描写やグロい描写多いと感じるのかもしれない。
個人的には、七人の小人が白雪姫(巨漢)に虐げられてて、『生産方式に対する労働者の所有権』を話し合ってたり、『労働者は抑圧に屈しない!』みたいな昔の共産主義者みたいなこと言ってるのみて笑ったw
表題の『失われたものたちの本』は、幻の国の王様が持っているとされる本で、王様に会いに行く話ではあるけど、どんな展開になるかはなんとなく途中から想像はついてくる。
とはいえ、とても面白い本でした✨続編も出ているらしいのでそのうち読みたい