個人的評価★★★☆☆
イタリアの児童文学作家の短編集。
表題作猫とともに去りぬの他に15作品が収録されている。
ちなみに、猫は表題作以外には基本出てこない。
猫とともに去りぬは、家に居場所のない定年後のお爺さんが猫になるという話。
猫たちは、星座に猫座が無いことに憤慨し、コロッセオを占拠するデモを起こす。
そういや確かに猫座ってないなあ。
現代児童文学作家だけあって、かなり幻想性が高く、猫を目当てに購入するとイマイチ合わないかもしれない。
個人的には、面白い短編もあればそんなに面白くない短編もあるなあ・・・という感じ。
ただ、イタリアとか日本で訳出の珍しい作家さんの著作が文庫として発売されていることは素晴らしいし、読書枠の拡大にもなるので続けて欲しいところ。
以下、好きな文章抜粋
「社長と会計係」より
彼が所有する自動車は30台、頭に生えている髪の毛は30本。
「なんてたくさんの自動車だこと」と村人たちはいい、「なんて少ない髪の毛なんだ」と、マンブレッティ社長はため息をもらす。
まったく不思議な話である。どう考えたところで、30と30は同じ数のはずなのだが、、、。
「チヴィタヴェッキアの郵便配達人」より
「ところで」局長はいった。「重量挙げをやってみる気はないかね?きみだったら、チャンピオンになれるかもしれん」
「考えてみます」
「いつ考えてくれるんだね?」
「今夜、七時半に」
このフレーズいつか使いたい(笑)