個人的評価★★★★☆
インタビュー形式の哲学史入門書の第2巻!
今巻は、イギリス経験論から大陸合理論、からカントを経てドイツ観念論までを俯瞰する感じの本
1巻と同じように、イントロダクションで各哲学史の概説と、そのあと専門家によるインタビュー形式の説明が入っている&それまでの定型的な図式に対して違った最新の見解を載せることを意識してくれている本
今巻でいうと、イギリス経験論・大陸合理論とカントによる総合という考え方が恣意的というか区分けとしては分かりやすいけれど実際にはそんな単純に分類できるもんじゃないよっていう話だったり、
ドイツ観念論のフィヒテ→シェリング→ヘーゲルという流れだって3人とも同時代に生きてたんだから、前者を後者が乗り越えて成立したようなものではないといったように、まあ考えてみりゃそうだよねっていうことをちゃんと書いてくれている。
個人的に、なるほどなあと思ったのは、カントの『純粋理性批判』とかの批判は、日本語でイメージする『批判』ではなく、原語で考えると『区分け』といった感じの説明がとても腑におちた✨
けど、それなら新しい訳書とかは純粋理性の区分とかにしてくれよとか思ったりはする(笑
それと、そんなんありなの!?と思ったのは、スピノザの『神』や『実体』という言葉は『現実』という意義で解釈できて、置き換えても成立するというもの
本文中には、エチカから以下の例文と言い換えが解説されている
神のほかにはいかなる実体も与えられず、また考えられることもできない。
何であろうとあるものはすべて神の中にあり、神なしには何ものもありえずまた考えられることもできない
当時の文脈に即して読んでくとそういった解釈になるらしいけど、哲学ってかなり自由すぎない!?それ良いの!?と思ってしまったw
という感じで楽しく読めた本でした。
但し本書の欠点としては、1巻と同じく、ある程度前提知識ないと、その哲学者の思想とかの詳細は掴みにくいところかな(この辺は、全体像や最新解釈・要点を意識して説明してくれているから仕方ない)
次は最終第3巻を読む予定✨