ウルソの読書記録

素人が暇潰しに読んだ本などの感想と紹介を書いていくブログです

132冊目『独裁者のためのハンドブック』ブルース・ブエノ・デ・メスキータ&アラスター・スミス

 

 

個人的評価★★★★☆

 

ゾンビサバイバルガイドみたいなネタ本かな?と思って購入

が、実際の中身は、『権力支持基盤理論』という理論の一般向け啓蒙書という割とガチの政治に関する内容の本だったw

 

著者は、政治の本質は一言でいえば、ある者が権力の座を目指し、そして手に入れた権力を長く維持することだと言い切る。その上で、独りで国家や組織を支配できる独裁者はいないという前提に立って、独裁者の支配を支える人々を三つの層に分類する。

                           訳者まえがきより引用

このなかで、重要なのは盟友集団であって、この盟友集団が独裁者の支配の鍵となっているとする。

面白いのは、民主主義も独裁も、拠って立つ盟友集団の規模が違うというだけで本質的には同じものであるということ

そして、盟友集団の規模の違いから、結果的に政策などが変わってくるという視点はとても面白い。

そのうえで、支配者が支配されるルールを知ることによって、より良い社会を目指していく起因としようというような本でした。

 

貧困国への援助とか、国に援助すると独裁者と盟友集団の維持に使われるから、要求に対して成果を上げた場合に約束額を支給した方が良いとか、色々な方策も提案していて面白い✨

 

予想していた内容とは全然違ったけど、読んで損はない本